ストレッチは「体との対話ツール」!研究データから見えた、驚きの真実と私のおすすめ

マインド

「ストレッチ、毎日欠かさずやっています!」

「なんだか体に良さそうだし、とりあえず伸ばしておこう」

あなたは、そんな風にストレッチと付き合っていませんか?

「柔軟性が高まる」「痩せやすくなる」「怪我の予防になる」「疲労回復に効く」...。

ストレッチには、たくさんの良いイメージや期待が寄せられていますよね。特に、**「ストレッチで痩せる」「股関節の硬さを解消したい」「つらい腰痛をどうにかしたい」**という目的でストレッチに取り組んでいる方も多いかもしれません。

ですが、実はこれらの期待の全てが、最新の研究で証明されているわけではないことをご存知でしょうか?

近年、ストレッチの効果に対する科学的な見解は変化しており、中村雅俊准教授「ストレッチを盲信するな」と強く提唱しています。

では、私たちが信じてきたストレッチの効果とは、一体何が真実で、何が誤解なのでしょうか?

Success

この記事では、ストレッチにまつわる「知られざる真実」に迫ります。あなたが「痩せる」ために、「股関節」の悩みのために、そして「腰痛」の痛みを和らげるために期待しているストレッチの効果について、科学的な視点から正直にお伝えします。

ストレッチに過度な期待をせず、その本当の効果と目的を正しく理解することで、あなたの体にとって最も効果的なアプローチが見えてくるはずです。

私が驚愕した動画と、研究内容の詳細については下記の動画を視聴してください。今回の参考文献です。
ちなみに、私はPIVOT大好きです!!

ぜひ、最後まで読んで、ストレッチとの賢い付き合い方を見つけてください。

最新研究で分かった!ストレッチに関する6つの誤解とその真実

1. 体の硬さ・柔らかさの違いは「筋肉の柔らかさ」によるもの?

  • 一般的に体の硬い人と柔らかい人の差は、筋肉や腱の柔らかさによるものだと思われがちですが、研究によると、この差は筋肉そのものの柔らかさの違いではなく、「痛み」に対する我慢強さの違いである可能性が高いとされています。筋肉自体はストレッチしても、調べてもさほど柔らかくならないというデータがあります。ストレッチによる可動域の向上は、痛みに慣れることで、より深く伸ばせるようになるという側面が大きいと考えられています。痛みが減ることで、それまで痛みで制限されていた範囲よりも先にいけるようになります。
  • アキレス腱のような「腱」の組織は、非常に硬く、伸ばして柔らかくなってもらうと困る構造になっており、ストレッチをしてもさほど柔らかくはなりません。アキレス腱を伸ばそうとする一般的な方法も、実際にはほとんど腱は伸びていません。
  • お風呂に入った後やアイシングの後など、体が温まったり冷えたりすると、痛みが感じにくくなるため、ストレッチがしやすくなったように感じます。これは感覚が麻痺しているためであり、組織自体が柔らかくなっているわけではない可能性が高いです。痛みを感じにくくすることで、より深く伸ばせるようになるという点では、お風呂上がりのストレッチなどは有効とも言えます。
  • 筋肉の硬さには、遺伝や筋肉量も関係します。筋肉量が多い人ほど、引っ張るのに力が必要なため硬く見えたりします。
  • 若い人と高齢者の筋肉自体の硬さを測ると、病気などで固まっている場合を除き、大きな差はなかったり、高齢者の方がむしろ柔らかい場合もあるそうです。しかし、高齢者の方が体の柔軟性が低いと感じられるのは、痛みをより感じやすくなるなどの理由が関係している可能性があります。
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この研究を知り、「痛み」への我慢強さが潜在能力だと感じました。これまで「硬い」と諦めていた体にも、まだ眠っている力があるのかもしれません。心と体は関連性があり、まだまだ研究では証明が難しいことが多い。という印象を受けました。

2. 関節(可動域)を柔らかくするために必要な時間

  • 関節の動きやすさ(可動域)を改善するためのストレッチ時間については、研究データがあります。
  • 1994年の研究ですが、腿裏が硬い若者を集めてストレッチの効果を見たところ、1日15秒のストレッチ(週5回)では体の硬さは変わらないという結果が出ています。この研究では、「時間も無駄になるかもしれない」とまで書かれているそうです。
  • 一方、1日30秒のストレッチを行うと、関節は動きやすくなることが示されています。
  • 60秒行っても、30秒と効果は同程度だったため、時間対効果(タイパ)を考えると30秒で十分ではないかと言われています。
  • ただし、これは「腿裏が硬い若者」での研究結果です。
  • 高齢者の場合は、30秒ではさほど変わらず、60秒のストレッチを6週間続けることで10度以上の有意な変化が見られたという研究結果もあります。年齢が上がると、より入念に長い時間(1箇所あたり)行う必要があるかもしれません。
  • 特定の部位(例:右の腿裏)をストレッチすると、脳が痛みを感じにくくなることで、反対側(左の腿裏)も若干柔らかくなるという現象も見られます。
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研究データでストレッチ時間の大切さは分かったけど、1箇所30秒(高齢者なら60秒も!)って、正直「長いな…」と感じますね。毎日続けるのは大変そう。もしかしたら、ストレッチ「以外」に、もっと効率的な方法があるのではないでしょうか?

3. 筋肉そのものを柔らかくするために必要な時間と継続期間

  • 筋肉そのものの柔軟性を向上させるには、関節の可動域改善よりも長い時間が必要です。
  • 2008年の研究では、ふくらはぎに**5分間(300秒)**ストレッチを行うことで筋肉が柔らかくなったという結果が出ています。ただし、アキレス腱の硬さは変わりませんでした。
  • この5分という時間は長く、現実的ではないと考えられたため、より短い時間での効果を調べた研究(2012年)では、**2分間(120秒)**行うことで筋肉の柔らかさが増すことが分かりました。これは、伸ばした時の抵抗感が減るという指標で測定されました。
  • しかし、2分間伸ばしっぱなしは辛い作業です。そこで研究を進めた結果、合計で120秒であれば、一度に行わず、複数回に分けて行っても効果は同じであることが分かりました。例えば、60秒を2回、30秒を4回、あるいは10秒を12回など、1日の合計時間が重要です(これを「トータルボリューム」と呼びます)。
  • ただし、このストレッチ効果の持続時間は非常に短いです。研究によると、約20分程度で、5分から10分で元に戻ってしまうことも多いそうです。
  • また、長期間(数週間〜数ヶ月)ストレッチを継続しても、筋肉そのものが柔らかくはならないという研究(2017年)も存在しました(健常者を対象とした研究)。
  • しかし、先生たちの最近の研究では、最低でも3〜4週間(約1ヶ月)以上ストレッチを継続することで、筋肉が「ちょっと」柔らかくなるという結果が得られました。3年以上続ければ、かなり柔らかくなる可能性はあります。
  • 筋肉の柔らかさを持続的に変えるためには、継続することが非常に重要です。週に1回まとめて長時間行うよりも、**週に3回以上、合計120秒(2分)**を目安に行う方が効果的と考えられています。これは、ストレッチによる痛みへの感受性の変化(鈍くなる)が、感覚が戻りきる前に次の刺激を入れることで積み重なり、徐々に筋肉がたくさん伸ばせるようになる、という感覚の変化が先行するためです。
  • 「かなり痛い」と感じるレベル(10段階で6〜7)でストレッチを行うと、筋肉の硬さがより大きく(平均で5割程度)柔らかくなるという研究結果もあります。本当に筋肉の柔らかさを追求したいのであれば、痛みを我慢して行うことも有効な選択肢ですが、痛みが嫌で継続できなくなるリスクも考慮する必要があります。
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筋肉そのものを柔らかくするには、関節より時間が必要なんですね。研究では合計2分(120秒)が目安とか。しかも効果は短時間…!でも継続すれば、少しずつでも変わるみたい。アスリートはトレーニング兼ストレッチメニューが良いかもしれませんね。

4. ストレッチで「怪我は予防できる」?

  • そもそも、ストレッチが怪我の予防につながるかどうかの研究自体が非常に少ないのが現状です。
  • 現在出ている研究の結論としては、ストレッチで骨折や靭帯断裂、脱臼などの、外部からの衝撃や急な動作によって起こる怪我(例:サッカーで足を削られる、バスケで人の足に乗って捻挫する)は予防できないというのが大きな結論とされています。
  • ただし、筋肉の怪我(肉離れなど)や、使いすぎによる慢性的な痛み(腰痛、オーバーユース障害など)に関しては、少し良い効果がありそうだという研究結果も分かっています。
  • したがって、「ストレッチさえしておけば全ての怪我をしない」というわけではなく、予防できる怪我もあれば、予防できない怪我もあるという理解が重要です。これは「ストレッチを盲信するな」というテーマにも繋がります。
  • 怪我予防におけるストレッチの効果は、スポーツの種類によっても異なります。ラグビーのような接触が多い競技よりも、柔軟性が非常に必要なバレエや体操、パドリングのように肩の可動域が必要なカヌーなどでは、一定の意味があると考えられます。
  • 先生の個人的な意見(科学的根拠は弱い)としては、ストレッチを漫然とやるのではなく、自分の体のコンディションを把握するためのツールとして使うことで、怪我の予防に繋がる可能性があると考えています。ストレッチを通じて「今日は体がよく動くな」「少し張ってるな」といった体の状態に気づき、練習量を調整したり、ウォーミングアップを念入りにしたりする判断ができるため、結果的に怪我をしにくくなるという側面です。これは**「体との対話ツール」**としての価値と言えます。
  • ウォーミングアップとして行う動的ストレッチ(動きながら行うストレッチ、ラジオ体操など)は、関節を動きやすくし、血流を改善することで、怪我予防に繋がる可能性も示唆されています(静的ストレッチよりウォーミングアップ向き)。
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怪我予防のためのストレッチ、研究はまだ多くありません。ぶつかったり急にひねったりする大きな怪我を防ぐ効果は、正直あまり期待できませんね。ただ、肉離れなどの筋肉の怪我や、使いすぎの痛みには役立つかも、という話も出ています。「これさえすれば大丈夫」ではないんです。私が専門家として一番良いと思うのは「体との対話ツール」としての価値。自分の状態に気づくことで、結果的に怪我を防ぐ。証拠は十分でなくても、この使い方は誰にでも役立つと、私は感じています。

5. ストレッチで「疲労は回復する」?

  • 研究の観点から、運動後の筋力低下など「疲労」そのものがストレッチで回復するかを見ると、回復しないという結果が出ています。ただ座っているのと同程度の回復しか見られません。
  • しかし、ストレッチは**「疲労感」(疲れた感じ)を改善する**効果があります。
  • 私たちは日頃、客観的な疲労度を測定しているわけではなく、「疲れたな」という主観的な感覚で判断しています。そのため、ストレッチによって疲労感が改善するのであれば、それは十分な効果があると言えます。
  • つまり、客観的な疲労は回復しませんが、主観的な疲労感は改善する可能性があるということです。
  • 筋肉痛についても、ストレッチで筋肉痛そのものが回復することはありません。運動前後に念入りに行っても筋肉痛の予防には効果がありません。しかし、筋肉痛による「痛み」を感じにくくする効果はあります。筋肉痛を感じている時にストレッチをすると、痛みへの感覚が軽減され、一時的に楽になることがあります。
  • 筋肉痛は病気ではないので、気にしないのが一番であり、どうせ治るものです。筋肉痛は運動不足の証拠である可能性が高いと先生は述べています。
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ストレッチが、筋肉の疲労「そのもの」を回復させるわけではないと知って驚きました。でも、面白いのは「疲れたな」と感じる”疲労感”には効果があること!私たちは客観的な疲労度より、この主観的な感覚で「疲労」を判断しますよね。だから、ストレッチでこの疲労感が和らぐというのは、心理的にすごく大きい意味を持つんじゃないかと思うんです。体が楽だと感じるって、日々の質を上げる上で本当に大事ですよね。

6. ストレッチで「体型は変わる/痩せる」?

  • ストレッチで体型を変えたり、痩せたりすることは難しいと考えられます。
  • ストレッチは、カロリー消費が大きくありません。
  • むくみや血流改善による細見えを期待する人もいますが、ストレッチによる血流変化は限定的です。ストレッチ中は血管が圧迫されて血流が悪化し、直後に一時的に血流が増えますが、すぐに元に戻ります。血流が悪くなったり良くなったりを繰り返すことで血管に良い刺激を与える可能性はありますが、痩せるほどの効果は期待できません。
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ストレッチで体型を変えたり、痩せたりするのは難しいと知って、少しがっかりした人もいるかもしれませんね。カロリー消費も少ないし、血流変化も限定的だとか。でも、だからこそ私が注目しているのは、動的ストレッチや可動域を広げるトレーニングです!体の動きそのものをスムーズにしたり、パフォーマンスを上げたり。目的に合わせて、やるべきことも変わってくるんですね。私はこちらに力を入れようと思います!

その他の効果やポイント

  • リラクゼーション効果:
    首や肩など、張っている部分をストレッチすることで「気持ちいいな」と感じることはあり、リラクゼーション効果は期待できます。心地よさを感じたり、緊張が和らいだりすることは、継続するモチベーションにも繋がります。脳波的にリラックスしている様子も一部の研究で示唆されています(まだ確実な結論ではない)。副交感神経が優位になる可能性も示唆されています。
  • 姿勢改善(一時的効果)
    猫背などの悪い姿勢に対してストレッチを行うと、一時的に姿勢が良くなることがあります。しかし、悪い姿勢は筋肉の硬さが原因ではなく、悪い姿勢を取り続けた結果として筋肉が硬くなっていることが多いため、根本原因(筋力不足など)を解決しないと元に戻ってしまいます。筋力トレーニングなども含めたアプローチが重要です。
  • 血管の柔軟性
    長期間ストレッチを続けることで、血管が柔らかくなるデータも存在し、動脈硬化の予防につながる可能性も示唆されています。ただし、有酸素運動の方が血管を柔らかくする効果は手っ取り早いと考えられています。
  • 関節が鳴る現象 
    関節がポキポキ鳴るのは、関節液の中の空気が弾ける現象であり、さほど問題ないと考えられています。無理な力を加えて意図的に鳴らすのは避けた方が良いですが、自然になる分には気にしなくて良い場合が多いです。低い音でゴリゴリ鳴る場合は、何か引っかかっている可能性もあるとのことです。
  • ウォーミングアップの順番
    ウォーミングアップとして、まずストレッチをしてから運動、という流れが一般的ですが、先に軽くジョギングなどの有酸素運動をしてからストレッチするという順番でも問題ないと考えられます。体を動かすことで、感覚が変化し、体が動きやすくなるため、ストレッチにこだわる必要はないという側面もあります。また、ウォーミングアップには静的ストレッチより、ラジオ体操のような動的ストレッチの方が向いていると言われています。
  • 継続の重要性 
    ストレッチはやり続けることで、痛みへの耐性が高まり、可動域が広がることが期待できます。また、継続することで自分の体の状態を把握しやすくなります(体との対話ツールとしての価値)。SNSなどで見かける突発的なストレッチは、効果が少ない可能性もあります。特に筋肉そのものを柔らかくするには、継続が必須です。
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ストレッチで一時的に姿勢が良くなることは確かにあります。でも、足育カウンセラーとして多くの体を見ていると、悪い姿勢は筋肉の硬さだけでなく、その方の「使い方の癖」が原因のことが多いです。だから、大切なのは根本原因を見つけ、「どう動くか(動作)」を改善すること。ストレッチも役立ちますが、それだけで全ては解決しませんね。本当の姿勢改善は、一歩踏み込んだアプローチが必要だと思います。

まとめ

ストレッチは「万能薬」ではなく、その効果は限定的です。

  • 関節(可動域)の向上 
    1箇所あたり30秒以上(高齢者は1分以上)を目安に継続することで、痛みの耐性向上やわずかな組織の変化により、可動域を広げる効果が期待できます。
  • 筋肉の柔らかさの向上
    1箇所あたり合計120秒(2分)以上を週3回以上、最低1ヶ月以上継続することで、筋肉そのものの柔らかさも期待できます。痛みを伴う強度で行うと、より効果が高い可能性があります。
  • 一部の怪我予防
    筋肉の肉離れや使いすぎによる痛みなど、一部の怪我に対して予防効果がある可能性があります。また、体との対話を通じてコンディション管理に役立てることで、間接的な怪我予防にも繋がります(先生の個人的意見)。動的ストレッチはウォーミングアップとして怪我予防に繋がる可能性もあります。
  • 疲労感の改善 
    疲労そのものを回復はさせませんが、主観的な疲労感を軽減させる効果があります。筋肉痛の痛みも軽減します。
  • リラクゼーション 
    心地よさを感じ、リラックス効果が得られます。
  • 長期的な効果 
    長期的に見ると、血管の柔軟性向上に寄与する可能性も示唆されていますが、他の方法(有酸素運動)の方が効率的かもしれません。

ストレッチに過度な期待(例:痩せる、全ての怪我を防ぐ)はせず、**「何のためにストレッチをするのか」**という目的を明確にして行うことが、時間や労力を無駄にしないために重要です。自分の体と向き合い、目的を持って賢くストレッチを取り入れることが推奨されます。

ストレッチの研究が今まで少なかったことにまず驚きですね。また研究はやはり難しいですね。心と体の関係性の研究は難しいんだなと。だから現場での経験値も大切なんだろうな!